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平成29年5月15日 五・一五事件 犬養毅墓参

五・一五事件より85年のこの日、事件の犠牲となった木堂犬養毅・元首相の墓参をしました。

犬養元首相は冷徹なリアリストであり、徹底した「帝国の宰相」ですが、一方で豪傑肌の亜細亜主義者でもあり、中国革命や中国人革命家を支援し続けたことでも有名です。

亜細亜主義の語りは日本の戦争と関連し困難を伴います。戦前の亜細亜主義は「大亜細亜主義」「汎亜細亜主義」「亜細亜モンロー主義」などと呼ばれ、日本を盟主とする政治的連帯を訴え、それはアジア侵略を裏付けるものともなりました。他方、戦後は竹内好などにより戦前の亜細亜主義批判に基づく新たなアジア主義研究が進められました。

さらに亜細亜主義は戦前の三木清の「東亜協同体」の語りもあり、中国共産党・王毅氏も「新アジア主義」を掲げ、新たな可能性が存在します。

いずれにせよ、犬養元首相が日本文化の優越性を語ることなく、アジアの文化に深い理解を寄せ、国境や民族を超えて「友情」を育み、「意気に感じる」精神は、回顧されるべきではないでしょうか。

なお、犬養元首相の墓の向かいには、同じく亜細亜主義者・頭山満の墓があり、墓参しました。