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平成29年5月18日~21日 花瑛塾第8次沖縄派遣団

5月18日から21日まで、花瑛塾第8次沖縄派遣団が現地を訪れ、19日と20日を中心に活動を展開しました。

19日、糸数アブチラガマ(南城市)を見学しました。糸数アブチラガマは沖縄戦における住民の避難場所でしたが、日本軍の陣地や南風原陸軍病院の分室としても使用され、ひめゆり学徒隊が看護に従事する中、ガマは600人以上の傷病兵で埋め尽くされたといわれています。南風原陸軍病院分室がガマから撤退後は、傷病兵や住民がガマに残され、米軍の猛攻に晒されたといわれています。ガマには貴重な鍾乳石や石筍が連なる一方、いまなお火炎放射や爆発の痕跡を留め、沖縄戦の悲惨さを痛感しました。

19日午後、数名の見学希望の方々とヘリパッド建設が進められる北部訓練場を訪れました。現在はノグチゲラの営巣期間にあたり音の鳴る工事は休工となっていますが、ヘリパッド建設が完了していないため、営巣期間が終わると工事が再開されます。主に工事車両が進入するN1表ゲートを視察し、その後メインゲートにて警備などの軍雇用者へ語りがけを行いました。軍雇用者への語りがけとは、基地撤去による軍雇用者の雇用不安など、軍雇用者として基地問題への意見や質問があれば投げかけて欲しいというものです。軍雇用者の雇用確保などといった基地経済も基地問題を考える上で重要なことであり、仮に意見や質問があれば丁寧に答えたいと考えています。さらに先日の防衛省交渉で防衛省本省の官僚が沖縄防衛局の工事計画や施工状況を把握していないことが明るみとなったため、問題ありと訴えました。その後、沖縄在住の5名の方と意見交換をしました。5名の方は沖縄の自然や美しさの保全を重視する方、武士道について関心のある方、沖縄復帰を疑問視し三流沖縄論を持論とする方など様々な方がおり、活発に意見交換を行いました。

20日、写真家・平敷兼七氏のギャラリーを観覧しました。 平敷氏は沖縄県今帰仁出身の写真家で平成21年にお亡くなりになりましたが、存命中、「戦後の沖縄」に拘った作品を撮り続け、今も若い写真家のカリスマとなっています。存命中は写真家・石川真生氏などと同人写真誌を発刊するなどしました。作品だけではなく氏の生き方の魅力が多くの人を引きつけ、沖縄を知る際のキーパーソンともなっています。

20日午後、米海軍佐世保基地に隣接した山を所有する方の話を伺いました。以前は山の猪を駆除できましたが、現在は米軍基地に入れず猪が増殖し被害があるそうです。沖縄でも米軍基地が生物多様性の脅威であることが示されており、そうした面からも基地問題を考えました。