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平成30年5月12日 在日韓人歴史資料館 第107回土曜セミナー「朝鮮総動員体制はどうつくられていったのか」(講師:庵逧由香氏)

 在日韓人歴史資料館 第107回土曜セミナーに参加しました。今回の講師は庵逧由香氏(立命館大)、テーマは「朝鮮総動員体制はどうつくられていったのか」でした。

 第1次世界大戦以降の総力戦体制のなかで、「大日本帝国」の一部を構成した朝鮮において計画的・政策的に行われた総動員体制について、労働力以外の動員対象や動員計画の状況などを伺いました。

 朝鮮総動員体制は日本への朝鮮人の労働力動員が注目されますが、朝鮮南部の挑戦人を朝鮮北部に動員するといった朝鮮内での労働力動員も多かったそうです。また、総動員は労働力のみならず戦争に必要な物・人・金など全ての物が計画的・政策的に動員されました。

 特に精神的動員として、創氏改名や「皇国臣民の誓詞」など「皇国臣民」化政策や朝鮮半島各戸で編成された「隣組」のような組織である「愛国班」などは、大変衝撃的な内容でした。

 朝鮮は「大日本帝国」の面積の3分の1、人口の4分の1を占め、「帝国」を構成していました。そして、その「帝国」の戦争のため徹底的な動員を迫られた朝鮮近代史に思いを致すとともに、保守・愛国者こそ朝鮮半島の悲劇と痛苦に無関心であってはならないと感じました。

 なお、このセミナーは原則として毎月第1土曜日14時より在日韓人歴史資料館にて開催されています。次回第108回セミナーは「在日朝鮮人留学生の民族運動」(講師:小野容照氏)です。事前予約が必要なので、御確認下さい。