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平成30年6月16日 9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼「明治150年」と関東大震災

 9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼「「明治150年」と関東大震災」(主催:9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会、歴史教育者協議会)に参加しました。

 第1部として、山田朗氏(明治大学)を講師として講演「「明治150年」と関東大震災ー朝鮮人虐殺を生み出したものー」を拝聴しました。第2部として、東京朝鮮中高級学校合唱部によるコーラスが披露されました。

 山田氏からは、関東大震災における朝鮮人虐殺の背景にあるものとして、明治以降の日本の朝鮮統治・蔑視という構造的な問題、つまりいわゆるアジアを対等の存在として見ない「脱亜入欧」的発想が指摘されました。

 また、改憲論の背景にある明治礼賛論という「改憲論=歴史認識問題」という提起や、戦後70年を迎えた「安倍談話」における日露戦争の美化・日中戦争の消去という危険な歴史認識について、日露戦争における英米の役割や財政的負担、その後の韓国併合など、日露戦争の真実についての解説を拝聴しました。

講演される山田朗氏

 関東大震災直後より流言飛語が発生し、朝鮮人・中国人・社会主義者・被差別部落出身者などが警察・軍隊・自警団によって虐殺されたことは、動かしがたい歴史の事実です。関東大震災の犠牲者を慰霊する東京都慰霊堂では、毎年、9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典が開催され、東京都知事による追悼文が送付されていましたが、昨年、小池百合子都知事は追悼文の送付を取りやめました

 こうした動きの中で、花瑛塾は昨年、東京都慰霊堂の朝鮮人犠牲者の碑はもちろん、被差別部落出身者が虐殺された「福田村事件」(千葉県野田市)の慰霊碑や中国人労働者らが虐殺された「東大島町事件」(東京都江東区)の事件現場を訪れ、慰霊・鎮魂の祈りを捧げましたが、この国の「保守」は自国の歴史から都合よく「逃亡」する悪癖があります。

昨年慰霊参拝した「関東大震災福田村事件犠牲者追悼慰霊碑」

 沖縄旅行の帰路、関東大人災が発生し、自身も自警団に誰何された天才的な国文学者・民俗学者・神道学者の折口信夫は、その後「砂けぶり」という長編詩を叙述し、そこで「おん身らは誰をころしたと思ふ。陛下のみ名においてー。」と日本人虐殺犯を非難しています(初出「砂けぶり」より)。歴史から逃亡し、都合よく歴史を修正するようでは、日本人はいつか同じ過ちを繰り返すことでしょう。