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花瑛塾第13次沖縄派遣団④(米海兵隊演習場「北部訓練場」前アピール)

 花瑛塾第13次沖縄派遣団は19日、米海兵隊演習場「北部訓練場」(東村・国頭村)メインゲート前にて、アピール行動を行いました。

 北部訓練場は正式名称を「ジャングル戦闘訓練センター」(キャンプ・ゴンザルベス)といい、ベトナム戦争が本格化するなかでジャングル戦闘演習の必要から1957年に開設されました。沖縄北部、いわゆる「やんばるの森」一帯の広大な敷地が演習場として設定され、沖縄県内最大の米軍演習場となっています。

 95年の米兵による少女暴行事件という痛ましい出来事の後の翌年、普天間飛行場の閉鎖・返還を中心とするSACO合意がなされましたが、そこにおいて北部訓練場の過半の返還と、残った敷地内に計7箇所(後に6箇所)のヘリパッドを建設することになりました。

 ここだけを切り取れば基地負担の軽減のように思えますが、新たに建設されるヘリパッドは東村高江集落を取り囲むように設定されていたため、高江集落の人々を中心に反対の声が高まりました。しかも、この頃には垂直離着陸機オスプレイの沖縄配備が現実化していたため、新たなヘリパッドではオスプレイが離着陸するのではないのかという懸念が募りました。

建設予定のヘリパッド【沖縄タイムス2016年8月30日】

 同時に、ヘリパッド建設とともに国頭村安波集落の宇嘉川河口とその接続水域が新たに米軍に提供されることになり、そこはヘリパッドと歩行訓練ルートや進入路で結ばれることになっていました。例えば、オスプレイでヘリパッドに着陸し、歩行訓練ルートを進んで宇嘉川河口に至り、接続水域から舟艇で海洋へ脱出する、あるいは舟艇もしくはオスプレイで宇嘉川河口に至り、歩行訓練ルートを進んでヘリパッドや演習場に至るという、陸海空一体となった非常に実践的な演習が可能となります。まさしくヘリパッド建設は、事実上の北部訓練場の基地機能の強化であったのです。

 さらに2007年、いわゆる北部訓練場N4地区における2箇所のヘリパッド建設から高江の人々を中心とした座り込み行動などが本格化しますが、これに対する沖縄防衛局の対応が非常に高圧的であり、8歳の子どもを「通行妨害者」として仮処分を申請するなど、住民感情を逆なですることになりました。

 そして2016年からN1地区、G地区、H地区で残り4箇所のヘリパッド建設が開始されましたが、沖縄県警は警察庁と密接な連絡のもと、暴力団「工藤会」対策のため全国から集められた警官隊と同規模の機動隊を高江に派遣し、暴力的な警備を展開しました。これについては長時間機動隊に足止めをうけた市民が訴訟を提起しており、警察活動の違法性が認定されています。工事もずさんかつ違法な突貫工事であり、ヘリパッドののり面の崩落や赤土の流出など多くの問題点が指摘されています。

 辺野古新基地にはヘリパッドが建設され、100機ともいわれるオスプレイが配備されるといわれています。辺野古を離陸したオスプレイが高江で演習を繰り広げる。こうした辺野古と一体化した運用・演習が行われ、騒音や墜落の危険性など住民の基地負担はこれから本格化します。昨年末には高江集落から数百メートルの牧草地で米海兵隊ヘリが炎上・大破する重大事故も発生しました。オスプレイはじめ軍用ヘリの離着陸や激しい演習により、ノグチゲラやヤンバルクイナなどやんばるの森の希少生物にも激しいダメージを与えるでしょう。さらにヘリパッド工事そのものが、多くの希少生物や環境に負荷をかけたに違いありません。

 さらに今夏にはN1表ゲートからN1裏ゲートを結ぶFルートの修繕工事が開始される予定となっており、東村議会がN4地区ヘリパッドの即時撤去を議決するなど、情勢はいまだ流動的です。まさに「高江は何も終わっていない」のであり、その旨を強く訴えました。

北部訓練場メインゲート前にてアピールする【撮影・画像提供:宮城秋乃さん】