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平成30年12月14日 花瑛塾第16次沖縄派遣団⑧(辺野古・北部訓練場)

 辺野古新基地建設に関し、政府が沖縄県に辺野古沖への土砂投入を通知している14日、花瑛塾第16次沖縄派遣団は有志による抗議船に乗船し、辺野古沖にて土砂投入の阻止行動を行いました。

 土砂投入地は、辺野古崎から辺野古沖南護岸(K4護岸)につながる中仕切護岸であるN3護岸です。土砂投入の大まかな作業順序としては、琉球セメント桟橋で土砂を積み込んだ運搬船が大浦湾のK9護岸付近まで移動し、そこで土砂をランプウェイ台船に積み替え、さらに土砂を陸揚げし、そこからダンプカーでN3護岸まで運搬され、土砂が投入されます。

土砂投入地点と土砂積替・陸揚地点(朝日新聞2018.12.13配信記事の画像をもとに作成)

 14日は早朝より多くの市民がキャンプ・シュワブ前に集まり、抗議の声をあげました。また辺野古浜からは市民がカヌーに乗ってN3護岸周辺などで抗議した他、大浦湾からは抗議船が出航し抗議行動を展開しました。花瑛塾も抗議船に乗船し抗議行動を行いましたが、政府はついに14日11時土砂投入を開始しました。

N3護岸に土砂を投下する工事車両

 ダンプカーが岩ずりとは名ばかりの赤土をダンプアップして投下し、これをブルドーザーが海中に落とし込む。そしてこの作業をフロート内で海上保安庁の巡視艇が警備し、抗議の市民に退去を呼びかけ威圧する。まさしく米軍が沖縄の人々を追い払い、強制的に土地や家屋を接収し軍事基地を建設していった「銃剣とブルドーザー」の現代版に他ならないといえます。

 そうとはいえ、警備にあたる海保職員や警察官、あるいは工事業者や基地従業員に怒りの矛先を向けてはいけません。彼らの威圧的・暴力的な姿勢に憤りを覚えることは当然の感情であり、違法な取り締まりや工事を許してはなりませんが、彼らの多くがうちなんちゅうであることも事実であり、基地を押しつけられた島で必死に生きているのです。基地さえ政府が押しつけていなければ、彼らはこのような仕事をすることはなかったはずです。

フロート内で警戒する海保警備艇と職員

 うちなんちゅうがうちなんちゅうに怒りの矛先を向け、いがみあう。この構図にこそ政府は付け込んでくるのであり、これこそ翁長前知事が恐れ、嫌ったものです。この対立と分断は誰かが沖縄に持ち込んでいるものです。心優しきうちなんちゅう同士の対立を、高見から眺め「沖縄の人は喧嘩ばかりしているね。お金でも欲しいのかな?」と嘲笑うやつがいる。それは誰なのか。その者にこそ怒りをたたきつけていく必要があります。

 花瑛塾としては土砂投入を阻止することができず、大変悔しくまた沖縄の人々に申し訳ない思いです。そして土砂投入の犠牲となる自然や生き物たちを守れず責任を痛感し、我が非力を恨むばかりです。

 しかし今回の埋立工区の土砂投入ですら、完了するまで相当の時間がかかり、仮に埋め立てが完工してもそれは全体のうちのわずかな面積に過ぎません。本部港塩川地区はいまだ使用不可能な状況にあり、政府が違法な手続きで強行した琉球セメント桟橋を使用した土砂積込・搬出も、いつまでも続けることは難しいでしょう。さらに今後はN値ゼロといわれる大浦湾側の超軟弱地盤の改良も必要となり、全体として辺野古新基地建設は破綻しているといって過言ではありません。

辺野古新基地建設の全体図(「世界」2018年10月号より)

 諦めさせることが政府の狙いであり、花瑛塾は引き続き新基地建設反対を訴えていきたいと思います。

 また東村高江を取り囲むように建設された北部訓練場のヘリパッド工事に関連し、各ヘリパッドを結ぶ進入路などの関連工事が21日着工されると報じられましたが、この日より早速土砂が北部訓練場N1表ゲートから搬入されるなど、準備がはじまりました。

北部訓練場メインゲートでの抗議行動

 辺野古新基地と北部訓練場が同一の問題であるということは、これまで説明してきた通りです。本土から沖縄へ、そして沖縄中南部から沖縄北部へ、基地負担は移転・集中し、そして不可視化されていきます。気づかぬあいだに、沖縄北部を中心に沖縄全体が基地負担軽減どころか恐るべき米軍の要塞となっているのです。

 辺野古での抗議とともに、この日北部訓練場前で抗議活動を行いました。この問題について今後とも訴えていきたいと思います。