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令和元年6月21日 花瑛塾第18次沖縄派遣団(北部訓練場前アピール、農林隊慰霊祭)

 花瑛塾第18次沖縄派遣団は21日、沖縄県東村と国頭村にまたがる米海兵隊の演習場である北部訓練場前にて、ノグチゲラの営巣期間が終わり7月1日から再開される歩行訓練ルートなどの工事や、オスプレイをはじめとしたヘリの飛来など米軍の演習について、今のままの状態でいいのかあらためて皆で考え直そうと訴えました。

 北部訓練場では2016年、高江ヘリパッド問題で大きく報道されたように、ヘリパッドが新たに建設され米軍に提供されるかわりに、訓練場の過半が返還されました。

 政府はこれをうけて、沖縄の基地負担軽減といいますが、実際には新たに建設されたヘリパッドはオスプレイの離発着が予定されており、ヘリパッド同士と米軍に提供された宇嘉川河口を結ぶ進入路や歩行訓練ルートを用い、陸海空一体となった実戦的な演習が実施可能となり、実施的な基地機能の強化に他なりません。

 また名護市辺野古で進められている新基地建設と北部訓練場は無関係ではありません。辺野古新基地には200機ものオスプレイが配備されるといわれていますが、そこを飛び立ったオスプレイは北部訓練場に飛来し、演習を繰り返します。もちろんオスプレイが離発着するすぐ近くには集落があり、人々の暮らしがあり、そしてノグチゲラやヤンバルクイナはじめ希少生物の生命の営みがあります。

 そればかりではなく、伊江島では強襲揚陸艦の甲板を想定した着陸帯LHDデッキが完成し、垂直離着陸が可能なステルス戦闘機F35Bや大型輸送ヘリCH53の離着陸がおこなわれています。辺野古新基地には強襲揚陸艦が接岸できるとともに、大型輸送ヘリも当然駐機可能であり、高江─辺野古─伊江島は在沖海兵隊の基地や演習場として一体となった拠点であるといえます。

 これにより沖縄内部でも基地負担が沖縄北部に押しやられ、不可視化されることにもなります。辺野古のみではなく、高江─辺野古─伊江島など海兵隊を中心に沖縄全体の基地のあり方について根本的に見直す議論が必要ではないでしょうか。

 その後、東村宮城の北部訓練場返還地LZ21地区において、チョウ類研究者のアキノ隊員(宮城秋乃氏)の先導で米軍が使用したと見られる空薬きょうを発見しました。北部訓練場のあるやんばる地区は国立公園となっており、北部訓練場返還地も国立公園に編入されましたが、米軍が残置したとみられる空薬きょうや空包などが多数発見されており、やんばる地区における米軍基地と環境問題は現在進行形の問題といえます。

 

 また沖縄戦時、沖縄県立農林学校生徒が召集・動員されて結成された農林鉄血勤皇隊(農林隊)が最後を迎えた東村内福地において、現在の県立北部農林高校生徒らによる慰霊祭に参列しました。

 農林隊は沖縄北部に配備され、国頭支隊といわれる日本軍部隊とともに八重岳付近で米軍との交戦しましたが、日本軍部隊は戦況が不利になると撤退を始め、彼ら農林隊を戦場に置き去りにして逃亡し始めました。農林隊は散り散りとなるなか、部隊の主力は東村まで転々とし、同村内福地で最後を迎えました。