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令和元年6月22日 「沖縄とともに─慰霊の日をむかえて─」シンポジウム(東京弁護士会)

 弁護士会館にて開催された「沖縄とともに─慰霊の日を迎えて─」のシンポジウム(主催:東京弁護士会)に参加しました。

 シンポジウムでは、第一部として沖縄戦研究の第一人者であり、特に名護市など沖縄北部の沖縄戦の展開について詳しい川満彰氏より「沖縄戦における陸軍中野学校と護郷隊の役割」とのテーマでお話しを伺うとともに、第二部として本多滝夫氏より「辺野古埋立てをめぐる法律上の問題の現在」とのテーマで辺野古新基地建設をめぐる国と沖縄県の行政訴訟などについてお話しを伺いました。

 特に川満氏からは、沖縄戦時、名護市など沖縄北部に配備され米軍とゲリラ戦を戦った少年兵部隊「護郷隊」を率いたり、離島残置諜者として波照間島や与那国島など離島に配備され秘密戦を展開した中野学校出身の諜報要員と沖縄戦の関わりについて、詳細にお話しを伺うことができました。

 なかでも護郷隊の少年たちは、戦時において壮絶な体験をし、異様な精神状態で戦場を過ごしたため、一部の元少年兵は戦後しばらくすると、突如として匍匐前進を始めたり、隣家の監視をするなど、異常行動を起こすようになりました。現在でいうPTSDの症状の一種ということができると思いますが、元少年兵たちは近隣の住民に「兵隊の幽霊がついた」などと気味悪がられ、「兵隊幽霊」「戦争幽霊」などと呼ばれたそうです。

 戦争がいかに人々の精神に負担を与え、異様なものにしてしまうか考えさせられます。これは米兵や自衛隊員など現在の軍事組織でも同様の事態が発生しており、現代においてなおしっかりと考えていくべきことではないでしょうか。