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令和元年10月17日 内閣総理大臣宛要請書手交(北部訓練場返還地における米軍の行動の調査について)

 花瑛塾は17日、内閣府へ赴き、内閣総理大臣宛に米軍演習場「北部訓練場」の返還地における米軍の行動の調査を要請しました。

要請書の読み上げ

 平成28年に過半が返還された沖縄北部の米軍演習場「北部訓練場」返還地では、最近、米軍ヘリの着陸が確認されたり、比較的新しい米軍のものと思われる未使用弾や廃棄して間もない野戦食が発見されたことから、米軍が返還地に進入し、訓練をしている可能性が指摘されています。

 返還地について、沖縄防衛局は一年かけて米軍の廃棄物を撤去したといいながら、現在まで多数の空包や空薬莢、ドラム缶など米軍のものと思われる廃棄物が発見されています。そればかりか米軍が返還地に不当に進入し、銃弾を用いた訓練を実施しているとすれば、日本の「主権」とは一体何なのでしょうか。

米軍ヘリ 北部訓練場返還地に着陸
9月4日午後3時頃、北部訓練場返還地を離着陸する米軍ヘリ

 以下、手交した要請書です。

   要  請  書

 平成二十八年十二月、沖縄県東村および国頭村にまたがる米海兵隊演習場「北部訓練場」の一部、約四千ヘクタールが米国政府から返還されました。

 これをうけて沖縄防衛局は、一年程度の時間をかけ、返還地に残置された米軍の廃棄物などについて調査し、撤去を行った上で、平成二十九年十二月に地権者に土地が引き渡されました。

 しかし、それ以降も返還地では、米軍のものと見られる銃弾の空包や薬きょう、ドラム缶など多数の廃棄物が発見されています。これら廃棄物はその都度、発見者が沖縄県警や沖縄防衛局に通報し、それらの機関が回収、撤去しています。

 返還後も発見される米軍の廃棄物の問題は、沖縄地元紙などでも報じられている他、最近では返還地が世界自然遺産登録の推薦区域となっていることから、環境問題としても問題視されており、国会質疑などでも取り上げられています。

 そうしたなか、先月二十九日、北部訓練場返還地のうち国頭村安田のLZ─1といわれるヘリパッド跡において、米軍のものと見られる未使用弾が多数発見されました。また中身が残っているなど食事後に廃棄したばかりと見られる野戦食の袋も発見されました。

 なお、発見者は、今年七月にもLZ─1ヘリパッド跡に立ち入っており、その時点では未使用弾も野戦食の袋も廃棄されていなかったことを確認しています。

 同じく返還地の国頭村安田のLZ─FBJヘリパッド跡においても先月十七日、多数の未使用弾が発見されています。

 先月四日には、LZ─FBJヘリパッド跡において、米海兵隊UH─1ヘリの離着陸が確認されています。米軍提供施設ではない返還地に米軍ヘリが離着陸するなど言語同断ですが、こうした状況を考えると、米軍は返還地に立ち入り、演習など何らかの訓練のために使用している可能性が考えられます。

 米軍が組織的に返還地に立ち入ったり、使用していないとしても、米兵個人が正当な理由なく返還地に進入し、火薬が充填されている未使用弾や野戦食の袋を廃棄することは、相応の法律に抵触する犯罪です。

 こうした状況を踏まえ、次の点を要請します。

  記

  1. 北部訓練場返還地への米軍の立ち入り、使用について適切な調査をすること。
  2. 北部訓練場返還地における米軍の廃棄物について、あらためて調査し、撤去など必要な措置を取ること。

  以上

 速やかなる対応をお願いします。

 なお、請願法に基づく本要請書の手交のため、内閣府へ事前にアポイントなどの連絡をしたところ、内閣府の担当者は「内閣府に沖縄を担当する部署はない」と要請書の手交を無下に断ろうとしました。

 本要請書の内容は、外務・防衛・環境など複数の担当官庁にまたがる問題でもあるため、内閣に対して行うものであり、内閣府の担当者がこれを受け付けようとしなかったことは問題ではないでしょうか。

 そもそも内閣府としては、内閣総理大臣と沖縄および北方対策担当大臣が沖縄政策を担当し、さらにその下には沖縄政策担当の政策統括官および沖縄振興局などが存在するはずです。

 「内閣府に沖縄を担当する部署はない」と内閣府職員が市民に言い放つほど内閣府の沖縄政策に存在感がないのならば、それをまず改めるべきだと申し添えます。

 令和元年十月十七日

 花瑛塾 塾長  仲村之菊

 内閣総理大臣 安倍晋三 閣下

 なお、来月11月5日(火)13時、防衛省を訪れ、この問題について同様の要請書を手交するとともに、防衛省の見解と回答を伺う予定となっています。