10月17日から11月8日まで開催された「ねりま沖縄映画祭2020」の最終日の8日、沖縄を題材とした映画を数多く撮影制作した野村岳也監督の映画「ふじ学徒隊」と「イザイホウ」ならびに野村監督を追悼するショートムービーを鑑賞しました。
「ふじ学徒隊」は沖縄戦で野戦病院に動員された積徳高等女学校の女学生たちの記録映画、「イザイホウ」は沖縄の久高島の伝説的な神事を取材したドキュメンタリー映画です。特に「イザイホウ」は撮影後、40年間も封印され続けた伝説的な映画として有名です。
野村監督の父親は軍医として沖縄戦に従軍し、沖縄の地で戦死しました。そうしたこともあり野村監督は沖縄に何度も通い、沖縄戦や沖縄の伝統的な祭祀や行事を題材に多くの映画を撮影するとともに、海燕社という映像プロダクションを設立して沖縄で映像事業を展開していったそうです。
ふじ学徒隊(積徳学徒隊)の生存者の元女学生たちやその御遺族は高齢化が進み、その体験を直接伺うことは年々難しくなってきています。また久高島のイザイホー(イザイホウ)も祭祀をおこなう神女の数が減少し、祭祀が途絶えて久しい状況にあります。そして野村監督自身も今年5月に87歳でお亡くなりになるなかで、何かを継承したり伝承したりしていくことの大変さと重要さを感じた映画祭でした。