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令和3年3月20日 オンライン講演会「登戸研究所掘り起こし運動30年のあゆみ」(明治大学平和教育登戸研究所資料館)

 明治大学平和教育登戸研究所資料館第11回企画展「極秘機関『陸軍登戸研究所』はこうして明らかになった─登戸研究所掘り起こし運動30年のあゆみ─」のオンライン講演会「登戸研究所掘り起こし運動30年のあゆみ」(講師:渡辺賢二さん、登戸研究所資料館展示専門委員)を視聴、学習しました。

オンライン講演会(ウェビナー画面) 右上は講師の渡辺さん

 現在の明治大学生田キャンパスとなっている陸軍登戸研究所では、特殊作戦のための兵器開発や諜報・謀略など秘密戦に関する研究がおこなわれていました。具体的には電波兵器やレーダーの開発、あるいは大陸戦線での軍費確保や国民党政権の混乱のための偽札製造、アメリカ大陸を直接爆撃するための風船爆弾の開発、諜報要員のための盗聴器などの謀略資材の研究開発、はては毒物や薬物、細菌兵器などの研究開発がおこなわれていました。

 そのため終戦時の登戸研究所の解散にあたっては、書類や資材などの証拠隠滅がおこなわれました。職員など関係者たちにも戦後、暗黙裡で秘密保持が求められたため、彼らは戦前戦中の研究所での出来事を語ろうとはしませんでした。また関係者たちは占領してきた米軍に尋問されることもありましたが、731部隊と同様、資料や情報を提供することにより戦犯訴追を免れるとともに、それにより公職に就いたり米軍関係の仕事に就くこともあったため、関係者たちはなおのこと登戸研究所で何があったかについて口を閉ざしました。こうして登戸研究所は戦後、その実態がほとんどわからない状態でした。

 しかし登戸研究所のあった川崎市における平和教育の高まりや関係者の心情の変化のなかで、高校生が主体となって関係者との対話が試みられ、関係者による資料の提供や体験談の継承の動きがあり、明治大学への働きかけにより施設の保存や資料館の設置などが進められました。

 講師の渡辺さんよりそうした登戸研究所の歴史とこれまでの歩みを伺いました。次回のオンライン講演会は5月15日より、山田朗さん(明治大学教授)を講師として開催されます。ぜひご視聴下さい。

明治大学平和教育登戸研究所資料館第11回企画展「極秘機関「陸軍登戸研究所」はこうして明らかになった-登戸研究所掘り起こし運動30年のあゆみ-」