喜多見と狛江の小さな映画祭+α

「喜多見と狛江の小さな映画祭+α」に参加しました。

この映画祭は、沖縄などの社会問題を中心とする映画を上映するもので、今回上映された映画は、沖縄復帰前後のCTS(石油備蓄基地)反対運動の中心者である安里清信氏を取り上げたドキュメンタリー映画「シバサシ―安里清信の残照-」(監督:輿石正氏)でした。

映画「シバサシ―安里清信の残照-」は、国の石油備蓄戦略、革新県政であった沖縄県・屋良朝苗知事による「平和産業論」、屋慶名など金武湾周辺自治体住民の利害が相互し、大規模な反対運動が展開されたCTS反対運動(金武湾闘争)を背景に、反対運動の中心者である沖縄出身の安里氏が朝鮮で教員として皇民化教育に加担した悔悟など反対運動に取り組む安里氏の内面や、「海はひとの母である」、「戦争も海を壊すことはなかった。その後の平和が海を壊した」といった安里氏が達した思想、そして反対運動の中で個々人が結集し、琉球舞踊を復活させた「海と大地と共同の力」の意味を問うものでした。

上映会後は琉球舞踊「かぎやで風」や「上り口説」などを鑑賞し、庶民の日常的な踊りであるカチャーシーを踊りました。同時に琉球舞踊にまつわる琉球王国と王府の貴族そして民衆の歴史、特にいわゆる「琉球処分」後に琉球舞踊や三線が王府の貴族・士族など支配層から民衆に伝播していった経緯や、島による文化の違いなどを学び、「琉球」「沖縄」と一括りにできない様々な琉球・沖縄の歴史を学びました。

平成29年5月26日 法政大学沖縄文化研究所総合講座「沖縄を考える」第7講

法政大学沖縄文化研究所総合講座「沖縄を考える」第7講「沖縄現代史―教員史の視点―」(講師:藤澤健一氏)を受講しました。

講師は沖縄現代史を教育史・学校史と共に実際に学校で教育に従事する「教員」の視点から考える研究をなされています。

講義では、沖縄戦から1972年沖縄復帰までの学校教育について、戦争賛美の教育を行ったことへの自責の念から教員が戦後に職場復帰を逡巡したり、経済事情から教員の職を投げうつなどの学校と教員の歴史を見るとともに、戦後の沖縄での学校教育と教員の団結、そして米軍による教職員会への言論の抑圧や日米の教育への介入などについてお話しがありました。

花瑛塾行動隊「共謀罪」反対街宣

花瑛塾行動隊は26日、都内一円および国会前・自民党本部前にて「共謀罪」を設ける組織的犯罪処罰法改正に反対し、「共謀罪」の危険性を訴える街頭宣伝行動を展開しました。

「共謀罪」における「組織的犯罪集団が犯罪を謀議・合意し、その準備行為を行う」という構成要件は、事実上、捜査機関の裁量に負うものであり、捜査機関による恣意的運用と捜査権限の拡大をもたらす危険なものです。

既に指摘されている通り、基地問題に関する市民団体の座り込みも、捜査機関が市民団体を組織的に威力業務妨害を行う組織的犯罪集団と解せば、座り込みの打ち合わせが「犯罪の謀議・合意」となり、座り込み日時の連絡などが「準備行為」とされ、組織的な威力業務妨害共謀罪として取り締まりを受ける可能性もあります。

現行の法体系は、ある犯罪の実行行為を取り締まり対象とするため、捜査機関は犯罪の実行行為に関する捜査(例えば薬物密売に関する電話の盗聴など)を行うことになりますが、「共謀罪」は犯罪の「合意」を取り締まり対象とするため、捜査機関は市民の何気ない日常的な電話やSNSなどを恒常的に捜査対象とすることになります。

さらに、一度「共謀罪」が成立してしまえば、その改正はたやすく、なし崩し的に捜査権限の拡大が行われる可能性もあります。戦前の治安維持法は成立後すぐに改正され、ある行為が国体変革を目的とする結社の目的を遂行するものと捜査機関が判断すれば、本人の意思とは関係なく「目的遂行罪」に該当するとされました。例えば、本人に「国体変革」の意思などなく、たまたま街頭で共産党のビラを受け取っただけでも、「目的遂行罪」に問われたのであり、労農弁護士団事件など治安維持法違反の被告を弁護する弁護士が治安維持法違反で検挙されるといった出来事もありました。

昨年には刑事訴訟法が改正され、盗聴の拡大と司法取引の導入など、捜査権限が強化・拡大されました。治安維持法も改正され、死刑導入という重罰化と目的遂行罪という捜査機関の恣意的運用を防止できない条項が盛り込まれました。「共謀罪」も成立したら、早速改正に向けて動き出す可能性があります。

反対の立場を明確にし、街宣を行いました。

 

平成29年5月23日 「今こそ辺野古に代わる選択を」(新外交イニシアティブ〈ND〉)

衆議院第一議員会館にて開催された「今こそ辺野古に代わる選択を」(新外交イニシアティブ〈ND〉)に参加しました。

政府は「普天間基地の移設先は辺野古が唯一の選択肢」とし、K9護岸工事など新基地建設を進めていますが、本当に「辺野古が唯一の選択肢」なのでしょうか。森本敏・元防衛大臣そのものが、退任時の会見において普天間基地の移設先が「軍事的に辺野古である必要はない」と明言しており、「辺野古が唯一の選択肢」でないことは明白です。

屋良朝博氏、柳澤協二氏、半田滋氏などから、在沖海兵隊の部隊である第31海兵遠征隊の運用の現状を踏まえた上で、運用変更と県外・国外移転の可能性を探り、辺野古移設が唯一の選択肢ではないことなど、NDの提言を拝聴しました。

 

平成29年5月21日 花瑛塾行動隊街頭宣伝

花瑛塾行動隊は自民党本部・首相官邸はじめ都内一円にて米軍基地撤去・日米関係の見直しなどを訴える街頭宣伝を展開しました。

またロシア大使館前において北方領土の返還を訴え、アメリカ大使館前において北朝鮮およびシリアへのアメリカによる短兵急な軍事的威嚇と攻撃を糾弾しました。

 

平成29年5月19日 法政大学沖縄文化研究所総合講座「沖縄を考える」第6講

法政大学沖縄文化研究所総合講座「沖縄を考える」第6講「沖縄女性史概説:口承(声)の文化から書承(文字)の文化へ」(講師:勝方=稲福恵子氏)を受講しました。

沖縄では伊波普猷以来の女性史の積み重ねがあり、『沖縄県史 各論編8 女性史』として県史でも女性史が編纂され刊行されています。講師の勝方=稲福氏も『沖縄県史 各論編8 女性史』の編纂者の一人であり、『沖縄県史 各論編8 女性史』における勝方=稲福氏の執筆内容を中心に講義が行われました。

沖縄では前近代まで女性は文字の読み書きについて教育されず、口承により全て伝承されてきました。明治以降の日本国家への編入後、近代教育により女性も読み書きができるようになり、書承により女性が自己と社会を表現する取り組みがされ始めました。

しかし、こうした近代教育は一方で沖縄の女性の地位の低下をもたらしました。つまり、日本的近代への同化=「良妻賢母」的教育により、沖縄の女性がその個性や強さを失っていったことも事実です。

そうした中で宮城文、古波鮫弘子、久志芙沙子など、近代にからめとられない強さをもった女性文学者たちも生まれたことなどを学びました。

平成29年5月18日~21日 花瑛塾第8次沖縄派遣団

5月18日から21日まで、花瑛塾第8次沖縄派遣団が現地を訪れ、19日と20日を中心に活動を展開しました。

19日、糸数アブチラガマ(南城市)を見学しました。糸数アブチラガマは沖縄戦における住民の避難場所でしたが、日本軍の陣地や南風原陸軍病院の分室としても使用され、ひめゆり学徒隊が看護に従事する中、ガマは600人以上の傷病兵で埋め尽くされたといわれています。南風原陸軍病院分室がガマから撤退後は、傷病兵や住民がガマに残され、米軍の猛攻に晒されたといわれています。ガマには貴重な鍾乳石や石筍が連なる一方、いまなお火炎放射や爆発の痕跡を留め、沖縄戦の悲惨さを痛感しました。

19日午後、数名の見学希望の方々とヘリパッド建設が進められる北部訓練場を訪れました。現在はノグチゲラの営巣期間にあたり音の鳴る工事は休工となっていますが、ヘリパッド建設が完了していないため、営巣期間が終わると工事が再開されます。主に工事車両が進入するN1表ゲートを視察し、その後メインゲートにて警備などの軍雇用者へ語りがけを行いました。軍雇用者への語りがけとは、基地撤去による軍雇用者の雇用不安など、軍雇用者として基地問題への意見や質問があれば投げかけて欲しいというものです。軍雇用者の雇用確保などといった基地経済も基地問題を考える上で重要なことであり、仮に意見や質問があれば丁寧に答えたいと考えています。さらに先日の防衛省交渉で防衛省本省の官僚が沖縄防衛局の工事計画や施工状況を把握していないことが明るみとなったため、問題ありと訴えました。その後、沖縄在住の5名の方と意見交換をしました。5名の方は沖縄の自然や美しさの保全を重視する方、武士道について関心のある方、沖縄復帰を疑問視し三流沖縄論を持論とする方など様々な方がおり、活発に意見交換を行いました。

20日、写真家・平敷兼七氏のギャラリーを観覧しました。 平敷氏は沖縄県今帰仁出身の写真家で平成21年にお亡くなりになりましたが、存命中、「戦後の沖縄」に拘った作品を撮り続け、今も若い写真家のカリスマとなっています。存命中は写真家・石川真生氏などと同人写真誌を発刊するなどしました。作品だけではなく氏の生き方の魅力が多くの人を引きつけ、沖縄を知る際のキーパーソンともなっています。

20日午後、米海軍佐世保基地に隣接した山を所有する方の話を伺いました。以前は山の猪を駆除できましたが、現在は米軍基地に入れず猪が増殖し被害があるそうです。沖縄でも米軍基地が生物多様性の脅威であることが示されており、そうした面からも基地問題を考えました。

平成29年5月18日 花瑛塾行動隊街頭宣伝

花瑛塾行動隊は都内一円にて辺野古新基地建設・高江ヘリパッド建設の問題点を訴えました。

辺野古新基地建設に関しては、日々、警察による反対派の排除が行われ、石材など建設資材を積んだ工事車両の搬入が行われています。現在進められている工事はK9護岸工事ですが、先日の院内集会・防衛省交渉で明らかになった通り、工事は違法なものです。

さらに高江ヘリパッド建設は昨年12月に「完成」したとされていますが、実際はヘリパッド工事の不備が指摘され、国会などでもその杜撰な工事が明らかになっています。ノグチゲラなどの営巣期間における音の鳴る工事の休工も間も無く終わり、工事が再開されます。

また自民党本部前にて、うるま市長選挙に関連する自民党・古屋圭司議員の事実誤認・差別発言に抗議し、沖縄基地問題に関する政府・自民党の姿勢を糾弾しました。

平成29年5月17日 「辺野古新基地建設護岸工事の違法性を問う」防衛省交渉&院内集会

参議院議員会館で行われた「辺野古新基地建設護岸工事の違法性を問う」防衛省交渉&院内集会(美ら海にもやんばるにも基地はいらない市民の会/ 国際環境 NGO FoE Japan)に参加しました。

始めに院内集会が行われ、ゲストの北上田毅氏を中心に辺野古新基地建設護岸工事の問題点が指摘されました。その後、防衛省沖縄調整官付・提供施設計画官付の官僚6名と質疑応答が行われました。

この院内集会・防衛省交渉で辺野古新基地護岸工事の問題点が多数明るみとなりました。特に、5月より開始されたシュワブK9護岸工事の違法性、石材投下による水質汚濁と粉塵の飛散、サンゴ類の保護、高江ヘリパッドの杜撰な工事の実態などが気にかかりました。

現在施工中のK9護岸工事は、沖縄防衛局による埋立承認願書の施工順序と異なります。施行順序の変更は公有水面埋立法に基づく申請が必要ですが、行われていません。取付道路など進入路設置も含め、現在行われているK9護岸工事は違法な工事といわざるをえません。

また、報道により明らかな通り、海面への石材投下により海面の汚濁や粉塵の飛散が発生しています。埋立承認願書では採石場で石材を洗浄するとありますが、本当に実施されているのでしょうか。防衛省は石材の洗浄について、洗浄時間の取り決めや洗浄実施のチェック体制について明言しませんでした。

さらに埋立承認願書では辺野古崎のサンゴ類について着工前に工事区域外に可能な限り移植するとありますが、防衛省交渉において「(その文言は)着工前にサンゴ類の移植を実施するという意味ではない」と論理を逆さまにし、サンゴ類の着工前移植の実施を否定しました。

防衛省交渉では俎上に載りませんでしたが、北上田氏の防衛省への質問書には高江の問題について触れています。そこでは、昨年12月に「完成」した高江ヘリパッド建設について、N1地区着陸帯の法面は降雨により水がしみ出し、H地区では張芝の一部が崩落し、補修工事が行われたことについて質問がありました。突貫工事による転圧不足など高江における杜撰な工事実態が明るみとなりました。

以上、院内集会・防衛省交渉の中で浮き彫りとなった多数の問題点からごくわずかに取り上げただけですが、これだけでも辺野古新基地護岸工事そして高江ヘリパッド建設の違法性や杜撰さが明瞭となるかと思います。

平成29年5月15日 五・一五事件 犬養毅墓参

五・一五事件より85年のこの日、事件の犠牲となった木堂犬養毅・元首相の墓参をしました。

犬養元首相は冷徹なリアリストであり、徹底した「帝国の宰相」ですが、一方で豪傑肌の亜細亜主義者でもあり、中国革命や中国人革命家を支援し続けたことでも有名です。

亜細亜主義の語りは日本の戦争と関連し困難を伴います。戦前の亜細亜主義は「大亜細亜主義」「汎亜細亜主義」「亜細亜モンロー主義」などと呼ばれ、日本を盟主とする政治的連帯を訴え、それはアジア侵略を裏付けるものともなりました。他方、戦後は竹内好などにより戦前の亜細亜主義批判に基づく新たなアジア主義研究が進められました。

さらに亜細亜主義は戦前の三木清の「東亜協同体」の語りもあり、中国共産党・王毅氏も「新アジア主義」を掲げ、新たな可能性が存在します。

いずれにせよ、犬養元首相が日本文化の優越性を語ることなく、アジアの文化に深い理解を寄せ、国境や民族を超えて「友情」を育み、「意気に感じる」精神は、回顧されるべきではないでしょうか。

なお、犬養元首相の墓の向かいには、同じく亜細亜主義者・頭山満の墓があり、墓参しました。