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【声明】2月7日「北方領土の日」における花瑛塾同志3名の逮捕に関して

2月7日12時15分、花瑛塾同志3名はロシア大使館近くの飯倉片町交差点にて「北方領土の日」に関する街頭宣伝中、「国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律(静穏保持法)」違反で逮捕されましたが、検察官の勾留請求を裁判所が認めず、同月10日21時被逮捕当該3名全員が釈放されました。なお、あくまで身柄の勾留は必要がないとされ釈放されただけであり、現在でも捜査機関による捜査は継続しており、検察の判断によっては起訴され、公判が行われる可能性もあります。また、街宣車等は証拠品として押収中です。

2月7日当日は、ロシア大使館付近での街宣後、「ニュース女子」沖縄ヘイト・デマに抗議するべく、東京MXやDHCシアターでの街宣を計画しておりましたが、逮捕により頓挫してしまいました。このことが最大の心残りですが、また改めて運動を計画し近日中には実施していく予定です。

本件により多くの皆様に御心配をおかけしました。また同志の勾留中には各方面より激励と差し入れをいただき、応援街宣まで企図された団体・個人もいらっしゃいました。皆様の御恩情に対し心より御礼申し上げます。

なお、本件における静穏保持法を根拠とする警察の逮捕権の行使に関して様々な意見・分析をいただいておりますが、花瑛塾として我が事について疎明することはありませんし、論評することもありません。ただし、静穏保持法による検挙事例はここ数年皆無であったことは間違いのないことです。国会周辺や官邸周辺では現在も多くの市民団体・政治団体が抗議行動を行っており、過去には国会周辺でのデモ等の規制実施をヘイトスピーチ規制にこじつけて提起した政治家もいるなかで、本件を契機とし、今後、各種政治運動や市民運動へ静穏保持法の適用が拡大すること、それにより各方面の運動が萎縮することは懸念しています。

花瑛塾は沖縄米軍基地問題だけでなく、日本の領土問題にも当然問題提起をしています。そのなかで各方面のお力添えのもと、元北方領土島民・引揚者との交流を深め、昨年には南樺太旧豊原市(ロシア名、ユジノサハリンスク)において行われた樺太島全死没者慰霊祭に祭員として参列するなど、特に弱い者・傷つく者の側に立つ立場から元島民・引揚者の視点に立って北方領土問題を訴えています。

旧ソ連の参戦により落命した北方領土元島民や命からがら引き上げた北方領土元島民・引揚者は、戦争により運命が左右され、命を危うくし、生活を失い、その後も日本と諸外国による政治的駆け引きに翻弄され続けました。こうした一連の経緯の構図は、沖縄は無論、日本各地そしてアジア各地での先の大戦に関連する無辜の民衆の悲運に似通っています。

同時に確認するべきは、ロシア・旧ソ連による国際法違反の対日参戦と侵略は当然許されませんが、旧ソ連の参戦には米国の教唆が存在し、米ロの共謀のもとで行われたという事実です。その上で、北方4島の即時一括返還論に拘泥するあまり、日ロ領土交渉を坐礁させたのは政府・自民党の責任でもあり、そのような外交方針の背景には、東西冷戦構造における日ロの緊張緩和を是認しなかった米国の圧力が垣間見れます。いまこそ戦後外交の大胆な更新を行い、平和と自主独立の立場に基づく日ロ外交と日米外交の展開が求められます。

 「戦争の記憶の継承と慰霊」を掲げる花瑛塾は、これからも北方領土問題に取り組み、政府・自民党の外交方針を糺すとともに、米ロ両国に対し北方領土問題における非道・不法を追求し、かつ北方地域の領土編入の歴史的経緯やアイヌの権利擁護そして元島民の思いといったものへの配慮を忘れることなく、領土問題の原則的かつ合理的な帰着点を見出していきたいと考えます。