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平成29年6月2日 法政大学沖縄文化研究所総合講座「沖縄を考える」第8講

法政大学沖縄文化研究所総合講座「沖縄を考える」第78講「沖縄現代文学と社会-1995年以降の小説を中心に」(講師:鈴木智之氏)を受講しました。

講師は社会学を専門としますが、同時に社会学的な視座から沖縄の現代文学も研究しており、芥川賞作家で沖縄出身の文学者・目取真俊を取り上げた『眼の奥に突き立てられた言葉の銛 ―目取真俊の〈文学〉と沖縄戦の記憶』( 晶文社 、2013年)などの著書もあります。

大城立裕『亀甲墓』、『カクテルパーティ』、『小説琉球処分』などを代表とする戦後の沖縄文学は、主に「土着から普遍へ」という文学的達成を実現しましたが、95年の少女暴行事件を契機として、目取真俊、又吉栄喜、崎山多美、大城貞俊ら沖縄の現代の文学者たちは、大城立裕らの文学から少しずつ乖離を始めました。

彼ら4人の文学作品は「記憶の再審」、「死者の召還」、「日本語との闘い」、「絶望と希望」などの視点を有しますが、それには95年以降の沖縄を巡る社会情勢が深く関連しているといえます。講義では、戦後沖縄文学と現代沖縄文学について、社会情勢の変化を踏まえつつ、これら4人の文学者の作品を読み解きました。