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平成29年11月5日 アメリカ・トランプ大統領来日に関する街頭行動

 本日10時40分頃、アメリカ・トランプ大統領が在日アメリカ空軍・横田飛行場(東京都福生市、瑞穂町、武蔵村山市等)に到着しました。トランプ大統領は7日まで滞在し、天皇陛下の引見や日米首脳会談、北朝鮮による日本人拉致事件被害者家族との面会などが予定されています。

 花瑛塾はトランプ大統領来日直前の本日8時より、アメリカ大使館(東京都港区)前にて日米安保体制や在日アメリカ軍、対北朝鮮外交や核廃絶などに関する花瑛塾の主張をトランプ大統領へ訴えました。

 在日アメリカ軍基地は沖縄県に偏在し、その過剰な基地負担が問題視されているとともに、辺野古新基地建設など新たな基地負担の押しつけ・固定化が進められています。戦後間も無くは日本本土にも多数のアメリカ軍基地が立地していましたが、基地反対運動の高まりを受けてアメリカ軍基地は本土から沖縄県へ移転が進められ、現在では全国のアメリカ軍専用施設の約7割が沖縄県に集中しています。

 また、日本本土に立地するアメリカ軍基地の大半は公有地にありますが、沖縄県に存在するアメリカ軍基地は、その大部分の面積が私有地に立地しています。例えば、トランプ大統領が降り立った横田飛行場は、戦前に建設された日本陸軍飛行場をもととし、施設面積のうち公有地が占める割合は99%となっていますが、在日アメリカ空軍・嘉手納飛行場(嘉手納町、北谷町、沖縄市)は、施設面積のうち公有地が占める割合は約10%ほどであり、実に施設面積の9割が民有地となっています。沖縄戦を前にした日本軍第32軍による飛行場建設や沖縄戦時のアメリカ軍による接収、そして「銃剣とブルドーザー」といわれるアメリカ施政権下におけるアメリカ軍による基地建設が沖縄県のアメリカ軍基地の特徴であり、沖縄基地問題とは「本土にも基地はある」といった単純な問題ではありません。

 確かに在日アメリカ軍基地の施設提供者は日本政府ですが、施設を提供され、施設を利用し、演習・運用をするのはトランプ大統領を最高司令官とするアメリカ軍であり、施設提供・利用・演習・運用のあり方に関しアメリカ軍に何らの責任がないわけではありません。トランプ大統領は、基地負担軽減の要求に耳を傾け、飲酒運転や性犯罪など在日アメリカ軍兵士の綱紀粛正をはかるとともに、在日アメリカ軍の整理・縮小・撤退や市街地上空の低空飛行・夜間飛行といった演習・運用の見直しを行うべきです。

 同時に、トランプ大統領は北朝鮮の軍事的挑発に対し空母の派遣や爆撃機の接近などを行い、「全ての選択肢がテーブルの上にある」などと軍事行動をちらつかせ、軍事的・外交的威嚇を強めています。北朝鮮の軍事的挑発は国際社会への重大な挑戦であり言語道断ですが、それによりアメリカの軍事的威嚇が正当化されるわけではありません。米朝の「軍事対軍事」の対決構造は一歩間違えれば軍事衝突を招き、核攻撃の応酬を含む取り返しのつかない全面戦争に突入する可能性があります。ティラーソン国務長官が北朝鮮との対話を模索するなど、トランプ政権内部にも平和外交を追及する勢力が存在しています。トランプ大統領は北朝鮮への軍事的威嚇をただちに中止し、米朝直接対話も視野に入れた平和外交により事態解決をはかるべきです。

 さらにトランプ大統領は北朝鮮による日本人拉致事件の被害者家族と面談する予定ですが、日本人拉致事件を今後の対北朝鮮軍事行動の口実とするならば許しがたいことです。北朝鮮による日本人拉致事件は空前絶後の国家犯罪ですが、これを利用し北朝鮮への軍事的威嚇を強め、まして軍事行動の口火を切ることは絶対にあってはなりません。日本人拉致被害者やその家族は、これまで日朝という国家に翻弄され、あらゆる方面によって政治利用され続けました。トランプ大統領が拉致事件を理由に北朝鮮への軍事行動を開始したとして、はたして拉致事件被害者やその家族は喜ぶというのでしょうか。むしろ自責の念に苛まれるに違いありません。あくまで対話と平和外交のなかで拉致事件をはじめ懸案事項の解決に向かうべきです。

 昨年5月、アメリカ・オバマ前大統領は、広島市の平和記念公園を訪れ、原爆犠牲者の慰霊碑に献花・黙祷しました。原爆犠牲者の御霊は、いささかなりとも鎮められたことでしょう。トランプ大統領は今回の来日直前にハワイ真珠湾を訪れ、「リメンバー・パール・ハーバー」とSNS上で発信しました。トランプ大統領が日本軍による真珠湾攻撃について何事か思うように、私たちにもアメリカによる広島・長崎原爆投下や東京大空襲などの都市空襲といった戦争犯罪に対し深く強い思いが存在しています。この怨讐を踏まえた上で、核兵器の実戦使用国と被爆国であるアメリカと日本こそが、原爆犠牲者の無念に報い、全ての戦争犠牲者の慰霊のため、協調・連携して核廃絶と世界平和の実現に向けて歩みだすべきではないでしょうか。

 花瑛塾はトランプ大統領の来日反対を訴えたり、首脳会談など来日中の諸日程を妨害する意思はありません。むしろ来日中、テロ・ゲリラなどの不法行為が起きることなく、無事に全ての日程を終えて離日することを望みます。来日反対・妨害を企図するならば、来日直前にアメリカ大使館の前で声を上げるようなことはしていないでしょう。アメリカはもちろん、日本にとっても実りある来日となることを祈念してます。

 しかし、トランプ大統領の差別的政策や発言は、社会の分断を助長するものとしてアメリカ国内だけでなく世界的に問題となっています。日本においても各方面・各団体がトランプ大統領来日に関連しそれぞれの主張を述べ、運動を展開することでしょう。花瑛塾もトランプ大統領に対し上記のような問題意識と要求を有しており、トランプ大統領が日本に滞在する7日まで、アメリカ大使館前などで行動を展開する予定です。トランプ大統領には自身への意見・提言・批判・非難・疑心・評価・要求をしっかりと受け止め、今後の発言や政策に反映させることを求めます。