シリア・アサド政権による化学兵器使用と米英仏のシリア攻撃について

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 14日、アメリカ・トランプ大統領はシリア・アサド政権による化学兵器の使用を理由として、イギリス・フランス軍とともにアメリカ軍がシリアへミサイル攻撃を行ったと報道された。

 アサド大統領はこれまでも反体制派に化学兵器をも使用した熾烈な攻撃を行っていると報じられており、シリア国内と見られる場所で市民が負傷している様子が公開され、世界的な注目とアサド大統領への非難が高まっていた。

 他方、ロシアはこれまでアサド政権を支援し、反政府勢力への爆撃を行うなどしてきた。今回のアメリカなどの軍事行動に対しても強い非難を行い、国連での非難決議の採択を目指している(採択には至らず)。

 アサド大統領による化学兵器の使用をはじめとした軍事行動、そしてそれによる市民の被害は、到底看過するべきものではない。シリア内戦は長期に渡り、罪のない人々が苦しみ続けており、さらにIS(いわゆるイスラム国)などテロ組織が関連した状態であるならば、国際社会が協調して事態打開のために対応するべきである。

 しかし、アメリカなどによる今回の攻撃は、国連決議を経たものではなく、国際法上の手続きにも正当性が疑問視されている。また、そもそもアサド大統領による化学兵器の使用が事実なのか、確実な根拠は存在していない。それとともに、ここまでシリア情勢を悪化させた背景には、米ロの中東情勢の思惑の違いという大国同士の利害衝突という面も存在する。

 過去の化学兵器の使用といえば、アメリカ軍によるベトナム戦争における枯葉剤の使用があげられる。さらに化学兵器の使用は日本も無関係ではなく、沖縄では1963年以降、知花弾薬庫にマスタードガスやVXガスなど1万4000tもの化学兵器が搬入・配備されたという事実もある。69年には毒ガス漏れ事故が起こり、多数の負傷者も発生した。そればかりかアメリカ政府は当初、事故の隠ぺいをはかり、事故が新聞報道で明るみとなった後も情報を統制しようとした。

 アサド大統領の化学兵器使用が事実だとすれば言語道断ではあるが、大国もまた化学兵器に関し相応の無法を行ってきたのであり、人々の苦しみなど考えることもなく自国の権益のためある時は武装勢力を支援し、ある時は既存の政府を支援するなど、無軌道な政策を展開してきたのである。そして日本は、こうした国際情勢に何らの影響力を行使することなく、基本的にはアメリカの政策を支持し、シリア難民の受け入れを事実上拒否するなどしてきたのである。

 アサド政権もアメリカもロシアも日本も自国の都合を考えるばかりであり、そこにおいて傷つき苦しむのは罪のない民衆である。そのことは沖縄やシリアの民衆が受けてきた苦しみが証明している。私たちに何ができるか、この国になにをさせるべきか、あらためてよく考えたい。