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平成30年10月27日 花瑛塾第15次沖縄派遣団④(沖縄環境ネットワーク結成20周年記念シンポジウム「沖縄の環境を考える」)

 花瑛塾第15次沖縄派遣団は27日、沖縄国際大学で開催された沖縄環境ネットワーク結成20周年記念シンポジウム「沖縄の環境を考える」に参加しました。

 シンポジウムは第1部「報告:沖縄の今」として、砂川かおり氏(沖縄国際大学講師)「沖縄環境ネットワーク結成から20年、活動の歴史と今」、牧志治氏(水中写真家)「辺野古・大浦湾の海と、現在」、吉川秀樹氏(ジュゴン保護キャンペーンセンター国際担当)「ジュゴン訴訟、埋立て承認撤回、今後の展開」、花輪伸一氏(元世界自然保護基金ジャパン)「復刻版『琉球弧の住民運動』から学ぶこと─本土での沖縄との連帯運動の視点で」との報告がありました。

発表・報告の様子と満員の会場

 第2部では台湾のグラミー賞とも呼ばれる「金曲奨」を受賞したHIRARA(宮古出身の歌手)さんの宮古伝統音楽や台湾伝統音楽などのコンサートがおこなわれました。台湾アミ族との交流も踏まえたHIRARAさんの歌では、姪子さんのお囃子などもあり、大変盛り上がりました。

 引き続き第3部「基地からの環境汚染」では、ジョン・ミッチェル氏(調査報道ジャーナリスト、沖縄タイムス特約通信員)「情報公開法でとらえた米軍基地環境汚染」、桑江直哉氏(沖縄市議会議員、沖縄環境ネットワーク世話人)「沖縄市サッカー場の土壌汚染と、沖縄市の情報公開の問題点」、桜井国俊氏(沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人)「基地環境問題にどう立ち向かうのか」との報告がありました。

報告するジョン・ミッチェル氏

 第1部および第3部の発表・報告では、「基地と環境問題」をテーマに、古くは勝連半島の埋め立てなど金武湾一帯をCTSといわれる石油備蓄基地をはじめとする「平和産業」の拠点とするための開発計画に対する反対運動「金武湾闘争(CTS反対運動)」や、近くは辺野古ジュゴン訴訟における国防総省と日本政府の動向と米国における裁判の問題、あるいはジョン・ミッチェル氏による在日米軍と環境破壊・汚染問題の実態報告など様々なお話を伺いました。

 なおジョン・ミッチェル氏は、これまで米国の情報公開法を利用し、神経ガスの海中投棄や枯葉剤の地中への埋伏など、沖縄での米軍による環境汚染を調査・告発しており、日本政府はミッチェル氏の告発によって米軍による環境破壊・汚染の事実を把握するような状況にあります。これらミッチェル氏による調査をまとめた『追跡 日米地位協定と基地公害』が大きな話題となっていますが、この日の「沖縄タイムス」には同氏による嘉手納・普天間飛行場などでの米軍の泡消火剤流出による猛烈な環境汚染についてのスクープが掲載されており、タイムリーな報告でした。

ミッチェル氏による調査結果を1面に掲載する「沖縄タイムス」2018.10.27

 辺野古新基地建設はじめ沖縄の基地問題は、民主主義や地方自治、あるいは防衛政策や安全保障、日米関係はじめ日本外交のあり方、法律手続きの適正さ、経済的合理性、そして騒音・犯罪・土地収用など住民の被害など、様々な視点からその問題点を指摘することができますが、動植物などの自然環境の保護、あるいは人間の健康被害など「環境」という点からも考えるべき問題だと気づかされました。