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令和元年7月27日 関東大震災朝鮮人虐殺犠牲者追悼・学習会

 関東大震災朝鮮人虐殺犠牲者追悼・学習会(共催:9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会、歴史教育者協議会)に参加しました。

 毎年9月1日、東京都横網公園内にある関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑の前で関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典が開催されています。この学習会はその追悼式典に先立ち、震災時の朝鮮人虐殺事件の事実と今日的意義を学習し、式典に向けて慰霊・追悼の思いをあらたにするものです。

 今年の学習会の講師は、『九月、東京の路上で─1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(ころから)、『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(同)などの著作で震災時の朝鮮人虐殺の事実を追及し、これを歪曲・否定する歴史修正主義の動きに対抗されている加藤直樹氏でした。

お話しされる加藤氏

 震災時の朝鮮人虐殺は、群衆がただ流言飛語に基づき虐殺を実行したものではなく、警察が流言飛語を吹聴し、また朝鮮人を「殺しても構わない」などと発言していた事実があり、さらに出動した軍が朝鮮人や中国人を虐殺するなど、官民一体の差別に基づく「虐殺の構造」が存在します。

 最近では、震災時の朝鮮人虐殺の事実を歪曲・否定する民間の動きがありますが、これをある東京都議会議員が真に受け、朝鮮人虐殺の事実を歪曲・否定し、議会で横網公園内の朝鮮人犠牲者追悼碑の碑文の内容の真偽を都知事に質問することなども起きています。この質問をうけて、小池百合子東京都知事は2年ほど前から朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文の送付を取りやめました。その上で朝鮮人犠牲者追悼式典の近くでは朝鮮人虐殺の事実を歪曲・否定するグループの集会も開催され始めるなど、今なお官民一体の差別と「虐殺の構造」は存在してます。

 目を背けたくなるような歴史であろうとも自国の歴史としてしっかりと見つめ、これを引き受け、二度とそのような歴史を繰り返さないよう未来に向けて国をよくしていくことこそ愛国者の作法ではないでしょうか。これからも震災時の朝鮮人虐殺と向き合い、事実の学習と慰霊・追悼をおこなっていきたいと思います。