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令和2年11月30日 朝鮮、台湾出身陸軍特別志願学徒壮行会(日比谷公会堂)

 昭和18年11月30日、77年前の今日、朝鮮、台湾出身の在日学生の出陣学徒壮行会が開催された日比谷公会堂を訪れました。

日比谷公会堂

 もともと日本統治下の朝鮮、台湾では兵役の義務がありませんでしたが、日中戦争による兵力確保の要請から昭和13年に朝鮮、台湾における特別志願兵制度が定められ、志願によって軍隊に入ることが認められました。

 昭和18年10月に日本人学生の徴兵猶予が廃止され学徒出陣が始まると、日本の大学などで学ぶ朝鮮、台湾出身の在日学生も特別志願兵制度に基づき学徒出陣をさせる気運が高まりました。もちろん、あくまでも特別志願兵制度は「志願」に基づくものであり、在日学生も「志願」によって軍隊に入る建前でしたが、警察が在日学生や在日学生の親元に「志願」したのかしつこく聞いて回ったり、学校側から「志願」を拒むと休学させると脅されるなど、事実上の強制による学徒出陣でした。

日本人学生の学徒出陣を大々的に報じる当時の新聞

 朝鮮、台湾出身の在日学生の学徒出陣の歴史は今なおあまり知られていませんが、当時から朝鮮、台湾出身の在日学生の学徒出陣は、その前月におこなわれた日本人学生の学徒出陣に比べ報道の扱いも小さく、日本人学生に比べ朝鮮・台湾出身の在日学生の命が軽視されていたことがわかります。

 また学徒出陣した日本人学生ですら軍隊内では正規将校に比べて差別され、優先的に特攻隊に送られるなど正規将校の身替わり扱いにされるなか、学徒出陣した在日学生の軍隊内での差別はいうまでもなく厳しいものがあったといわれています。

 こうした日本人学生の学徒出陣に続く朝鮮、台湾出身の在日学生の学徒出陣、もう一つの学徒出陣を忘れてはなりません。

朝鮮、台湾出身学生の学徒出陣を伝える当時の新聞 日本人学徒出陣に比べ、極端に報道の扱いが小さい