平成29年9月12日 花瑛塾第10次沖縄派遣団

花瑛塾第10次沖縄派遣団は12日午前、2004年沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件の現場(宜野湾市)を訪れ、建物の破損や立ち木の炎上など、事件の凄惨な実態を学びました。

墜落した米軍ヘリは沖縄国際大学に隣接する普天間飛行場(同)に所属する機体であり、たびたび指摘されてきた普天間飛行場の危険性が現実のものとなった事件です。本件では奇跡的に死亡者は出ませんでしたが、普天間飛行場の真横には民家や学校、公園や役所などがあり、同種の事件事故はいつ発生しても不思議ではありません。

さらに墜落事件直後より大学構内を含む現場一帯をロックアウトし、警察や消防そして報道まで締め出しました。これらの米軍の措置は日米地位協定に基づくものであり、墜落事件には地位協定の問題も指摘されています。

12日午後、沖縄県立博物館・美術館(那覇市)、琉球新報新聞博物館(同)、沖縄タイムス・ギャラリー(同)を訪れ、展示品を鑑賞しました。

特に県立博物館の常設展は琉球・沖縄の成立と展開について、自然科学、考古学、民俗学、歴史学、美術学など、あらゆる見地から網羅的に展示・解説してあり、大きな学びの場となっています。

美術館ではコレクションギャラリー「安次富長昭展 光・風・土への憧憬」、同「ベトナム絵画展」が開催され、沖縄の美術界とともに、国際的な美術・絵画の展示などもされていました。

平成29年9月11日 花瑛塾第10次沖縄派遣団

花瑛塾第10次沖縄派遣団は11日午前、平安座島(うるま市)の石油備蓄基地(CTS)を見学しました。

琉球政府行政主席・屋良朝苗氏は金武湾一帯の埋め立てとCTS設置を計画しましたが、金武湾闘争と呼ばれるCTS反対運動の盛り上がりによって計画は縮小し、平安座島から宮城島までが埋め立てられCTSとなりました。

CTSと反対運動については以前の記事で触れましたので、ご参照下さい。

11日午後、佐銘川大主・苗代大比屋の屋敷跡や尚思紹・尚巴志の墓とされる佐敷ようどれ、場天御嶽など、南城市各地にある第一尚氏関連遺跡や御嶽を見学・参拝しました。

佐銘川大主は伊是名島から辺戸岬を東周りに佐敷・場天まで流れ、子・苗代大比屋(尚思紹)と孫・尚巴志が琉球を統一し、第一尚氏を開いたといわれています。

こうした第一尚氏の開闢の神話と歴史は、折口信夫が論文「琉球国王の出自」によって日琉同祖論の見地から源為朝渡琉伝承などとともに論じています。

なお佐敷ようどれは航空自衛隊知念分屯基地の内部にあり、入構にあたり受付が必要です。

喜多見と狛江の小さな映画祭+α

平成29年9月10日 花瑛塾第10次沖縄派遣団

花瑛塾第10次沖縄派遣団は10日午前中、那覇市民ギャラリーで開催中の写真家・石川真生写真展「大琉球写真絵巻Part1~4」を鑑賞しました。

「大琉球写真絵巻」は、特に島津氏の琉球侵攻から明治政府のいわゆる「琉球処分」、そして沖縄戦と米軍の占領統治を経て現代までの琉球・沖縄の歴史や状況を、一般の人々がそれぞれのアイデアと思いをもとに表現し石川氏が撮影するものです。写真展は本日が最終日ということもあり、盛況でした。

その後、那覇市歴史博物館にて企画展「琉球・沖縄のイッピン~沖縄コレクター友の会展~」や特別展「水色地の紅型衣裳」、同「王家の宝刀」を鑑賞しました。企画展では喜名焼アンビンなど歴史的な陶芸品から本土復帰の記念切手などそれぞれの「イッピン」が展示されていました。また特別展では首里王府や尚家伝来の刀や冠、あるいは紅型と呼ばれる伝統的な染め物などが展示され、琉球の歴史と文化を知ることができました。

午後は、名護市の名桜大学で開催された名桜大学特別講座「私達は『誰が公共政策を決定すべき』と考えているのか―社会心理学“誰がなぜゲーム”から見えるもの―」を受講しました。

この講座は、中国の内モンゴルにおける草原管理や石垣市の新空港建設、あるいは名護市東海岸の護岸工事や基地建設などを具体例に、公共政策の実施に関する賛成・反対といった意思決定や共有財(コモンズ)の管理への参与をめぐる当事者性などについて、「地域住民」「一般市民」「行政」など各アクターが制度的基盤・認知的基盤などを通して行う正当性の承認・非承認といった社会的認知について、社会心理学の立場から検討するものであり、WWG(誰がなぜゲーム)と呼ばれるシュミレーション・ゲームによる正当性認知の変遷などを学びました。

平成29年9月10日 花瑛塾行動隊街頭行動

花瑛塾行動隊はこの日、首相官邸前・自民党本部前にて安倍政権の短兵急な対北朝鮮強硬外交を批判しました。

ミサイル発射や核実験など北朝鮮の軍事的挑発は許されませんが、これに対応し「危機」「脅威」を煽る安倍政権の対北硬論も容認できません。

過去、安倍首相はプーチン大統領の6カ国協議再開の提案に賛同せず、現在では制裁などの強硬措置を各国に呼びかけていますが、そうした対北硬論が本当に意味があり事態解決につながるのか、自身のこれまでの対北外交の成果を踏まえて国民に説明できるのでしょうか。安倍政権は危険かつ無意味な対北強硬論を取り下げ、米朝直接対話と6カ国協議再開の道筋を立てるべきです。

その後、防衛省本省前にて政府が強行する沖縄での新基地建設・基地機能強化に抗議するとともに、アメリカ大使館前にてアメリカ政府に北朝鮮への軍事的・外交的威圧を自制することを求め、さらに核廃絶を求めました。

またロシア大使館前ではソ連対日参戦と領土占領の不当性を訴えるとともに、新たな日ロ関係の構築による北方政策の現状打開を呼びかけました。

平成29年9月9日 花瑛塾第10次沖縄派遣団

花瑛塾第10次沖縄派遣団は9日、上本部飛行場跡(本部町)を訪れ、基地返還の現実的根拠を探りました。

上本部飛行場は米軍飛行場として使用されましたが1971年に返還されました。この当時、基地返還に関する現状復帰の制度が未整備で、コーラルサンドによって敷き固められた滑走路が残存したまま返還されるなど、上本部飛行場の跡地利用は難しい条件でした。さらに上本部飛行場は国有地が広く占めており、返還後に国が海上自衛隊の送信所建設を計画し地域の反対に合い利用が進まないなど、跡地利用は難航しました。

しかし現在ではオキハムが立ち上げた農業生産法人が農産加工場を建設するなど、少しずつ跡地利用が進んでおり、読谷補助飛行場跡やハンビー飛行場跡、そして上本部飛行場跡など返還後の基地の状況や跡地利用について学ぶことは、基地返還の現実的な根拠を知ることになり、重要です。

その後、道の駅ゆいゆい国頭(国頭村)にてヤンバルクイナやノグチゲラ、あるいはイリオモテヤマネコなど、やんばるや離島の希少生物の写真展「やんばる、西表島の多様な生物 写真展」を鑑賞しました。北部訓練場でのヘリパッド建設とそこでのオスプレイの離発着は、やんばるの希少生物に多大な負担を与えますが、同時にやんばるを貫く県道70号を中心とした希少生物の轢死(ロードキル)の防止など、観光客などによる希少生物への負担減少も考えていかなければなりません。

また辺戸岬では「祖国復帰闘争碑」や元琉球行政府主席・大田政作氏の像を訪れ、さらに辺戸部落周辺で宇佐浜遺跡・義本王墓・辺戸御嶽・蔡温松・辺戸大川などの史跡・遺跡・宗教施設を巡り、『中山世鑑』にも記される琉球の神話と歴史に触れました。

 

平成29年9月8日 花瑛塾第10次沖縄派遣団

花瑛塾第10次沖縄派遣団は8日、沖縄県各地を訪れ、様々な取り組みを行いました。

午前中、読谷補助飛行場跡(読谷村)とハンビー飛行場跡(北谷町)を訪れ、返還後の基地跡の現状を確認しました。

読谷補助飛行場は旧日本軍により沖縄戦に向けて建設された「北飛行場」を接収した米軍が拡張した飛行場ですが、SACO合意により返還が決まり、2006年に全面返還されました。読谷補助飛行場ではパラシュート訓練によるトレーラーの落下事故やジェット機の墜落事故など、生命に関わる重大事故が多発し、地域の大きな負担となっていました。

現在は読谷村役場や健康増進センターなど公共施設が建設され、農協の関連施設が建設されるなど、少しずつ跡地利用が進んでいます。

ハンビー飛行場は81年にメイモスカラー射撃場とともに返還され、現在は両者ともハンビータウンやアメリカンレッジなど大型商業施設が立ち並び賑わっています。

基地跡地の確認後、沖縄市戦後文化資料展示室「ヒストリート」(沖縄市)や1970年にコザ暴動が発生した胡屋十字路(同)を見学し、コザの歴史やコザ暴動、あるいは1945年9月7日に沖縄で行われた沖縄戦の降伏調印式について学びました。

嘉手納飛行場が位置する沖縄市(コザ)では、米兵のもたらすアメリカンカルチャーによって独特の情緒ある歓楽街が形成され発展しましたが、同時に米兵による事件事故により住民は苦しんでいました。そうした怒りが爆発したのがコザ暴動であり、沖縄を考える上で知るべき出来事です。また1945年9月7日、現在の嘉手納飛行場に位置する越来村森根(現、沖縄市)にて沖縄戦の降伏調印式が行われました。

午後は、昨年、米軍属に殺害されたうるま市の女性を追悼するため、女性の遺体が遺棄された現場にて心からの慰霊のまことを捧げました。この場所はいまでも多くの人が訪れ手を合わせたり献花をするなどしており、この日も一般の方が慰霊に訪れていました。

その後、国立劇場おきなわ(浦添市)にて「平成29年度沖縄県伝統芸能公演 かりゆし芸能公演」(琉球舞踊 玉城流翔節会)を鑑賞し、「長者の大主」や組踊「花売の縁」より猿引の場など、琉球舞踊を中心とした琉球・沖縄の芸能を楽しみました。

平成29年9月6日 北朝鮮問題に関する花瑛塾行動隊街頭行動

花瑛塾行動隊はこの日、朝鮮総連本部前にて北朝鮮のミサイル発射・核実験に強く抗議し、その兆候が見られる再度のミサイル発射について自制を求めました。

北朝鮮のミサイル発射や核実験は国連安保理決議に違反するものであり、国際社会への重大な挑戦であるとともに、東アジアに不必要な軍事的緊張をもたらすものです。さらに厳しい経済情勢による国民生活の窮乏がいわれている北朝鮮人民にとっても、北朝鮮指導部が推し進める軍事的挑発や軍備拡大は大変な負担であるはずです。

朝鮮総連本部での抗議後、首相官邸前にて安倍政権が日本国内のみならず世界各国に焚きつけている無意味かつ危険な対北朝鮮強硬論を糾弾しました。小泉政権時代、第1次安倍政権時代と、安倍首相は対北朝鮮強硬外交を展開しましたが、日本人拉致事件はじめ日朝懸案事項は何らの前進も見られませんでした。今日の北朝鮮をめぐる緊迫した情勢を生んだ一因に、安倍首相の対北硬論がないとはいえません。安倍首相は自身のこれまでの対北外交の失敗を総括するなかから、現在の事態を解決するためのあらたな方途を探し出すべきです。

その後、アメリカ大使館前にて対話と平和的解決を大原則とした北朝鮮問題への対応をアメリカ政府に求めました。国連は安保理議長声明というかたちで、北朝鮮問題について各国に対話と平和的解決を呼びかけています。国際社会の安寧と協調に責任を有するアメリカは、こうした安保理議長声明を受け入れ、米朝直接対話を行うべきではないでしょうか。

またアメリカ大使館前では、沖縄での新基地建設や基地機能強化などの基地問題や、刑事裁判権などの問題が指摘されている日米地位協定など日米安保体制の問題点を訴えるとともに、アメリカはこの問題について無答責ではなく、基地使用者・駐留者としてアメリカもまた積極的に問題の解決に乗り出す義務があることを訴えました。

平成29年9月6日 関東大震災「福田村事件」慰霊・追悼

「関東大震災福田村事件犠牲者追悼慰霊碑」(千葉県野田市)に献花をし、慰霊のまことを捧げました。

1923年9月1日の関東震災発生から5日後の9月6日、同地で香川県出身の行商人らとその家族15人が自警団に襲われ、幼児や妊婦を含む9人が虐殺されました。いわゆる「福田村事件」です。

震災発生直後より「朝鮮人が放火をしている」「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」などといった民族差別に基づくデマが飛び交い、各地で結成された自警団が片っ端から誰何尋問を行い、自警団そして軍や警察によって朝鮮人や中国人あるいは社会主義者が虐殺されたことは歴史的な事実です。

福田村事件の背景にも震災時の民族差別デマが存在したことはいうまでもありません。さらに被害を受けた行商人らが被差別部落出身者のため、事後の救済もほとんとされず、事件を起こした自警団の首謀者らも早々に釈放されたといわれています。

平成29年9月6日 映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』

映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』(監督:佐古忠彦氏)を鑑賞しました。

本作は、沖縄人民党委員長や那覇市長・国会議員などとして活躍した政治家・瀬長亀次郎を扱うものです。

本作は沖縄で先行公開され、現在はユーロスペース(東京都渋谷区)にても公開中です。

瀬長は勿論、瀬長と共に戦った沖縄の人々の思いにもまた胸をうたれました。

本作と瀬長について、以前の記事で取り上げました。以下、ご覧下さい。

映画『米軍が最も恐れた男~その名は、カメジロー』(監督:佐古忠彦氏)

平成29年9月3日 北朝鮮問題に関する花瑛塾行動隊街頭行動

花瑛塾行動隊は、朝鮮総連本部前にて北朝鮮が先月29日に強行したミサイル発射、およびこの日に強行した核実験に抗議しました。その後、首相官邸前・自民党本部前・アメリカ大使館前にて、日米両政府と北朝鮮との対話の開始と核兵器の廃絶を求めました。

北朝鮮のミサイル発射および核実験は、国連安保理決議に違反するものであり、国際社会への重大な挑戦です。そして東アジアにおける不必要な軍事的緊張を高めるものであり、許してはなりません。さらに世界的な核廃絶・核軍縮の取り組みに逆行するものであり、認めることはできません。

しかし、そうであるからといって、安倍政権の対北朝鮮外交硬論は大きな間違いです。安倍政権は北朝鮮の「危機」や「脅威」を煽り、最大限の政治的レバレッジをかけた対北硬論にひた走っていますが、はたしてこの路線に意味はあるのでしょうか。むしろ日本と東アジア諸国を危険に晒すものではないでしょうか。安倍首相は小泉政権時代や第1次安倍政権時代も含め、自身の過去の対北硬論が北朝鮮問題の解決に資することはなく、むしろ問題を悪化させ、今日の緊迫した事態を招いた一因となったことを総括するべきです。

上述のように、北朝鮮のミサイル発射や核実験は国連安保理決議に違反するものですが、同時に国連は北朝鮮問題における「対話」と「平和的解決」を安保理議長声明というかたちで各国に呼びかけていることも事実です。緊迫した現状においてこそ、日米両政府は事態の平和的解決へ向けて努力すべきであり、北朝鮮も含む東アジアと世界の核廃絶の動きのなかに問題を位置づけていくべきではないでしょうか。

現在、北朝鮮が再度ミサイルを発射する兆候が見られるとの報道もあります。花瑛塾は事態を注視し、再度の発射があった際には北朝鮮の軍事的挑発を断固として糾弾するとともに、日米両政府へ早急な北朝鮮との対話の開始を求めていく決意です。